直木賞 は「宝島」に決定!
平成最後の第160回芥川賞・直木賞が発表されました。芥川賞は、上田岳弘さん(39)の「ニムロッド」と町屋良平さん(35)の「1R(ラウンド)1分34秒」の2作品が、直木賞は真藤順丈さんの「宝島」が授賞しました。
第160回 芥川賞 授賞者・授賞作
第160回 芥川賞 は第160回芥川龍之介賞の選考委員会が平成31年1月16日(水)16:00より築地・新喜楽で開催され、6人の作家の6作品の中から、上田岳弘さんの「ニムロッド」と町屋良平さんの「1R(いちらうんど)1分34秒」が授賞作に決まりました。
上田岳弘さんの「ニムロッド」は、仮想通貨ビットコインをめぐる人間模様を描いた、現代的な題材の作品です。選考委員によると「大きな世界観と日常的な出来事をつなげる手際の良さ」が評価されたということでした。
町屋良平さんの「1R1分34秒」は、21歳のプロボクサーが主人公。変わり者のトレーナーとの出会いにより、主人公の変わっていく心境を描いた作品です。「主人公のトレーニングの様子などを徹底して描き込んだ筆の迫力」が評価され多分そうです。9人の委員による投票が行われ、最初の投票では受賞2作品に加え、高山羽根子さん(43)の『居た場所』が相対的に高い点数を獲得したそうです。その後、他3作品から議論し、高得点の3作品の銀論をし、最終投票で「ニムロッド」と「1R1分34秒」の2作品の授賞が決定しましたそうです。社会学者の古市憲寿さんの「平成くん、さようなら」は、ノミネートが話題となりましたが受賞を逃しました。
新井賞って何? 芥川賞 直木賞より注目されてる?
【マンガ大賞 2019 予想】勝手に予想!
マンガ大賞2018【BEASTARS】超面白いビースターズ
超傑作webマンガ 【王様ランキング 単行本化決定】
第160回 芥川賞 候補者・ノミネート作品
候補者名:上田岳弘(うえだ たかひろ) 受賞
掲載誌:群像
月号:12月号
【略 歴】
1979年生まれ。早稲田大学法学部卒。法人向けソリューションメーカーで役員を務める。
2013年「太陽」で第45回新潮新人賞を受賞してデビュー。
2015年「私の恋人」で第28回三島由紀夫賞を受賞。
2016年、GRANTA Best of Young Japanese Novelistsに選出。
2018年『塔と重力』で第68回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。
【作 品】
「太陽」2013年新潮11月号=第27回三島由紀夫賞候補
「惑星」2014年新潮8月号=第152回芥川賞候補
「太陽・惑星」2014年新潮社刊
「私の恋人」2015年新潮4月号=第28回三島由紀夫賞受賞、単行本は2015年新潮社刊
「異郷の友人」2015年新潮12月号=第154回芥川賞候補、単行本は2016年新潮社刊=第38回野間文芸新人賞候補
「塔と重力」2017年新潮社刊=第68回芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞
鴻池留衣(こうのいけ るい)
掲載誌:新潮
月号:9月号
【略 歴】
1987年生まれ。慶應義塾大学文学部中退。
2016年「二人組み」で第48回新潮新人賞を受賞してデビュー。
【作 品】
「二人組み」2016年新潮11月号=第48回新潮新人賞
「ナイス・エイジ」17年新潮7月号、単行本は18年新潮社刊(「二人組み」併録)
砂川文次(すなかわ ぶんじ)
掲載誌:文學界
月号:12月号
【略 歴】
1990年生まれ。神奈川大学卒。元自衛官。都内区役所勤務。
2016年「市街戦」で第121回文學界新人賞を受賞。
【作 品】
「市街戦」2016年文學界5月号=第121回文學界新人賞
「熊狩り」2016年文學界11月号
「バベルの褒賞」2017年文學界11月号
高山羽根子(たかやま はねこ)
掲載誌:文藝
月号:冬季号
【略 歴】
1975年生まれ。多摩美術大学美術学部絵画学科卒。
2010年「うどん キツネつきの」が第1回創元SF短編賞の佳作に選出される。
同年、同作を収録したアンソロジー『原色の想像力』(創元SF文庫)でデビュー。
2016年「太陽の側の島」で第2回林芙美子文学賞受賞。
【作 品】
「うどん キツネつきの」2014年東京創元社刊=第36回日本SF大賞最終候補
「太陽の側の島」16年婦人公論4月12日号
「オブジェクタム」18年小説トリッパー春号、単行本は18年朝日新聞出版刊(「太陽の側の島」併録)
古市憲寿(ふるいち のりとし)
掲載誌:文學界
月号:9月号
【略 歴】
1985年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業、東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。
2013年第4回日本学術振興会「育志賞」受賞。慶應義塾大学SFC研究所上席所員。
【作 品】
「絶望の国の幸福な若者たち」2011年講談社刊
「保育園義務教育化」2015年小学館刊
「彼は本当は優しい」2018年文學界4月号
町屋良平(まちや りょうへい) 受賞
掲載誌:新潮
月号:11月号
【略 歴】
1983年生まれ。埼玉県立越ヶ谷高校卒。
2016年「青が破れる」で第53回文藝賞を受賞。
同年、同作を収録した『青が破れる』でデビュー。
【作 品】
「青が破れる」2016年河出書房新社刊=第30回三島由紀夫賞候補
「しき」2018年文藝夏季号=第159回芥川賞候補、単行本は2018年河出書房新社刊=第40回野間文芸新人賞候補。
第160回 直木賞 授賞者・授賞作
第160回直木三十五賞の選考委員会が平成31年1月16日(水)午後4時より築地・新喜楽で開催され、5人の作家の5作品の中から、真藤順丈さんの「宝島」が授賞作に決まりました。受賞作「宝島」は、戦後のアメリカ軍統治下の沖縄を舞台に、少年少女の青春と革命を描いた物語です。
第160回 直木賞 候補者・ノミネート作品
今村翔吾(いまむら しょうご)
出版社:角川春樹事務所
【略 歴】
1984年生まれ。ダンスインストラクター、作曲家、埋蔵文化財調査員を経験。
2016年「蹴れ、彦五郎」で第19回伊豆文学賞受賞、同年「狐の城」で第23回九州さが大衆文学賞 笹沢左保賞を受賞。
2017年、文庫書下ろし『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』でデビュー。
2018年「童神」(のち「童の神」に改題)で第10回角川春樹小説賞を受賞。
【作 品】
「火喰鳥 羽州ぼろ鳶組」2017年祥伝社文庫刊=第7回歴史時代作家クラブ賞・文庫書き下ろし新人賞(「羽州ぼろ鳶組シリーズ」ほか6冊)
「くらまし屋稼業」2018年ハルキ文庫刊(同シリーズほか2冊)
「童の神」2018年角川春樹事務所刊=第8回本屋が選ぶ時代小説大賞候補
「ひゃっか!」18年文響社刊
垣根涼介(かきね りょうすけ)
出版社:KADOKAWA
【略 歴】
1966年生まれ。筑波大学卒。
2000年「午前三時のルースター」で第17回サントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞しデビュー。
【作 品】
「午前三時のルースター」2000年文藝春秋刊
「ヒートアイランド」2001年文藝春秋刊
「ワイルド・ソウル」2003年幻冬舎刊=第6回大藪春彦賞、第25回吉川英治文学新人賞、第57回日本推理作家協会賞受賞「君たちに明日はない」2005年新潮社刊=第18回山本周五郎賞受賞
「ゆりかごで眠れ」2006年中央公論新社刊
「光秀の定理」2013年角川書店刊=第4回山田風太郎賞候補
「室町無頼」2016年新潮社刊=第156回直木賞候補、第7回山田風太郎賞候補、第6回本屋が選ぶ時代小説大賞受賞
「信長の原理」2018年角川書店刊=第9回山田風太郎賞候補
真藤順丈(しんどう じゅんじょう)
出版社:講談社
【略 歴】
1977年生まれ。
2008年「地図男」で第3回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞してデビュー。同年「庵堂三兄弟の聖職」で第15回日本ホラー小説大賞など、新人賞4賞をそれぞれ別の作品で受賞する。
2018年『宝島』で第9回山田風太郎賞を受賞。
【作 品】
「地図男」2008年メディアファクトリー刊=第3回ダ・ヴィンチ文学賞大賞受賞
「庵堂三兄弟の聖職」2008年角川書店刊=第15回日本ホラー小説大賞受賞
「バイブルDX」2010年メディアファクトリー刊。『畦と銃』11年講談社刊
「墓頭」2012年角川書店刊
「七日じゃ映画は撮れません」2014年実業之日本社刊
「しるしなきもの」2015年幻冬舎刊
「黄昏旅団」2015年文藝春秋刊
「夜の淵をひと廻り」2016年KADOKAWA刊
「宝島」2018年講談社刊=第9回山田風太郎賞受賞
深緑野分(ふかみどり のわき)
出版社:筑摩書房
【略 歴】
1983年生まれ。
神奈川県立海老名高等学校卒。
2010年短篇「オーブランの少女」で第7回ミステリーズ!新人賞の佳作入選。13年、同作を収録した短篇集『オーブランの少女』でデビュー。
【作 品】
「オーブランの少女」2013年東京創元社刊
「戦場のコックたち」2015年東京創元社刊=第154回直木賞候補
「分かれ道ノストラダムス」2016年双葉社刊。別冊文藝春秋にて「スタッフロール」、文芸カドカワにて「この本を盗む者は」を連載中
森見登美彦(もりみ とみひこ)
出版社:文藝春秋
【略 歴】
1979年生まれ。
京都大学農学部卒業、同大学院修士課程修了。
2003年「太陽の塔」で第15回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。
【作 品】
「太陽の塔」2003年新潮社刊
「夜は短し歩けよ乙女」06年角川書店刊=第20回山本周五郎賞受賞、第137回直木賞候補
「ペンギン・ハイウェイ」10年角川書店刊=第31回日本SF大賞受賞
「夜行」16年小学館刊=第156回直木賞候補、他
新井賞って何? 芥川賞 直木賞より注目されてる?
新井賞って何?
マニアが注目する新井賞とは、有楽町の三省堂の書店員の「新井さん」が個人で勝手に創設した賞なのです!新井さんが半年の中で一番気に入った本を選ぶそうです。ご本人曰く「芥川賞 直木賞の作品よりも面白いと思った作品」だそうです。
なぜここまで新井賞が注目されるのか?というと、単純に新井賞の作品は売れるから。ではなぜ売れるのか?というと、芥川賞作家の又吉直樹さん(芸人)は「有名な作家さん、いわゆるプロが選んだ作品とは違う視点、いわゆる身近な感覚でおもしろいという基準で選ばれているから」だそうです。確かに技法などで説明されてもピンとこない場合もあります。ご本人のインタビューでも「ごはんと一緒でどうせ食べるならおいしい方が良いみたいな感覚で選んでます」というコメントから、かなり身近に感じます。ちなみに、芥川賞 直木賞より売れてる作品もあるそうです。芥川賞作家の又吉直樹さん(芸人)も一度は選ばれてみたいとおっしゃってました。さらに、自ら新井さんに読んでほしくて本を私に来る作家さんもいらっしゃいました。ちなみに新井賞は、直木賞・芥川賞の発表と同じ日の夜に発表されます。
第9回 新井賞 授賞作
第9回 新井賞 授賞作は、はるな檸檬さんのダルちゃん1・2です。なんと今回はマンガが授賞。
資生堂のウェブ花椿にて2017年10月~2018年10月に連載されていた作品で、連載時より「しんどいけれど、読む手がとまらない」「ダルちゃんは、私だ」と大反響の声が集まった傑作コミックなのです。「誰かに合わせて生きていると、自分が本当は何を考えているのかわからなくなるけれど、それで相手が喜んでくれているのなら、人に合わせることの、何がいけないのだろう――。」ゆるめの絵とは相反して切実な作品なのです。
芥川賞 直木賞 関連書籍
太陽・惑星 / 上田岳弘 【本】
塔と重力 / 上田岳弘 【本】
青が破れる / 町屋 良平 【本】
しるしなきもの / 真藤順丈 【本】
新井賞って何? 芥川賞 直木賞より注目されてる?
【マンガ大賞 2019 予想】勝手に予想!
マンガ大賞2018【BEASTARS】超面白いビースターズ
超傑作webマンガ 【王様ランキング 単行本化決定】
第160回 芥川賞 直木賞 授賞作は「ニムロッド」「1R1分34秒」「宝島」授賞作家 ノミネート作品紹介【平成30年下半期】まとめ
第160回 芥川賞 直木賞 授賞作+新井賞も!「ニムロッド」「1R1分34秒」「宝島」授賞作家 ノミネート作品紹介【平成30年下半期】まとめ
第160回 芥川賞 直木賞 授賞作+新井賞も!「ニムロッド」「1R1分34秒」「宝島」授賞作家 ノミネート作品紹介【平成30年下半期】 の記事はいかがでしたか?今回の芥川賞・直木賞は授賞作だけでなく、ノミネートされた作品もとても興味深い物ばかりでした。今回の授賞作品は、今後発売の文藝春秋で掲載されると思いますので情報が分かり次第更新いたします。